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徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その1

奇経で子午流注についてやりつつも、実際にはあまりよく分かっていません。
『鍼灸大成』には子午流注にについて書かれているものもあるので、それらを紹介していきたいと思います。
まずは「徐氏子午流注逐日按時定穴歌(じょししごるちゅうちくじつあんじていけつか)」です。
その意味は「徐氏による子午流注の日を逐(お)って時による定穴を按じる歌」です。
相変わらずあまりよくない書き下しです。
よく分からないところもありましたがその部分は朝野周先生の訳本を参考にしつつ、漢文がくずれない程度にしています。

「徐氏子午流注逐日按時定穴歌」
甲日
戌時は胆の竅陰。
丙子時は前谷の滎に中る。
戊寅は陷谷にて陽明の兪。
本に返って丘墟の木は寅に在り。
庚辰は経の陽谿穴に注ぐ。
壬午は膀胱の委中を尋る。
甲申時は三焦の水を納め、滎は天干に合し、液門を取る。

乙日
酉の時は肝の大敦。
丁亥時は滎の少府にて心。
己丑は太白、太衝穴。
辛卯は経渠にて是れは肺の経。
癸巳は腎宮の陰谷にて合。
乙未は労宮の火穴にて滎。

丙日
申時は少沢に当る。
戊戌は内庭にて脹康を治す。
庚子時は三間の兪に在り
本の原の腕骨にて黄を袪(のぞ)くべし。
壬寅は経火にて崑崙に上る。
甲辰は陽陵泉にて長に合す。
丙午時は三焦の木に受け、中渚之に中りて仔細詳し。

丁日
未時は心の少衝。
己酉は大都にて脾土に逢う。
辛亥は太淵、神門穴。
癸丑は復溜にて腎水通る。
乙卯は肝経の曲泉にて合。
丁巳は包絡の大陵に中る。

戊日
午時は兌を先んず。
庚申は滎穴の二間に遷る。
壬戌は膀胱の束骨に尋る。
衝陽の土穴は必ず原に還る。
甲子は胆経の陽輔が是れ。
丙寅は小海穴にて安然。
戊辰は三焦脈にて気を納め、経穴の支溝を刺せば必ず痊(いえ)る。

己日
巳時は隠白に始まる。
辛未時は魚際に中り取る。
癸酉は太谿、太白の原。
乙亥は中封にて内踝に比す。
丁丑時は合の少海にて心。
己卯は間使にて包絡を止む。

庚日
辰時は商陽居る。
壬午は膀胱の通谷に之く。
甲申は臨泣にて兪木と為す。
合谷の金は原にて、本に返って帰す。
丙戌は小腸にて陽谷の火。
戊子時は居ること三里に宜す。
庚寅は気を三焦の合に納む。
天井の中は疑い用せず。

辛日
卯時は少商に本づく。
癸巳は然谷にて何くを須(もちい)いて忖(はか)る。
乙未は太衝、原の太淵。
丁酉は心経の霊道を引く。
己亥は脾の合にて陰陵泉。
辛丑は曲沢にて包絡を準(はか)る。

壬日
寅時は至陰より起こる。
甲辰は胆脈の侠谿にて滎。
丙午は小腸の後谿にて兪。
返って京骨を求め,本原を尋ねる。
三焦に寄有るは陽池穴。本に返って原に還るが似(ごと)く親しむ。
戊申時は解谿の胃に注ぐ。
大腸は庚戌にて曲池が真。
壬子は三焦に寄って気を納め、井穴の関衝は,一片の金。
関衝は金に属じ、壬は水に属す。子母の相生、恩義深し。

癸日
亥時は井の湧泉。
乙丑は行間穴にて必然す。
丁卯は兪穴の神門が是れ。
本を腎水の太谿の原に尋ねる。
包絡は大陵の原にて并びて過ぎる。
己巳は商丘にて内踝の辺(ほとり)。
辛未は肺経にて合の尺沢。
癸酉は中衝、包絡に連なる。

子午は時を截(た)ち、定穴を安くす。
後学に留伝し、言うこと忘れること莫かれ。


これにはいつの日の時間にどの穴を使えばいいかの書がかれています。
これは歌ですので、明の時代の発音からすれば韻を踏んでたりしてリズムが良いのでしょう。
歌にそこまで内容は求めなくていいとは思いますが、ところどころ気になる言い回しがあります。
紹介するだけでかなり長くなったので、纏めは次の記事でしたいと思います。
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徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その2 甲日&乙日

というわけで、少しずつみていきます。

甲日
戌時は胆の竅陰。
丙子時は前谷の滎に中(あた)る。
戊寅は陷谷にて陽明の兪。本に返って丘墟の木は寅に在り。
庚辰は経の陽谿穴に注ぐ。
壬午は膀胱の委中を尋る。
甲申時は三焦の水を納め、滎は天干に合し、液門を取る。

乙日
酉の時は肝の大敦。
丁亥時は滎の少府にて心。
己丑は太白、太衝穴。
辛卯は経渠にて是れは肺の経。
癸巳は腎宮の陰谷にて合。
乙未は労宮の火穴にて滎。


最初に甲日、乙日、…という風に十干が最初に来ています。
十干とは「甲」「乙」「丙」「丁」「戊」「己」「庚」「辛」「壬」「癸」の十種類のことで、ここでは日付を表しています。何故これが日付を表すかというと「干支」と関係があるからです。
「干支」というと一般的には「子」「丑」「寅」「卯」「辰」「巳」「午」「未」「申」「酉」「戌」「亥」の事だと思われていますが、本来は「十干十二支」の略で、この十干も含まれています。それに年のみを表すと思われていますが、実際は年だけでなく、月や日、時間にも「干支」は配当されています。
「干支」は全部で60あります。この「干支」でもって子午流注の配穴が決められているので、暦を確認して今日が何の干支にあるのか確認する必要があります。
ちなみにこの記事の更新日である2009年12月23日は己丑の年、丙子の月、壬寅の日です。
干支について詳細を書くとそれだけでシリーズができてしまうので、違うサイトや書籍に譲ることとします。

さて甲日には、
甲戌時 竅陰(胆 経の井金穴)
丙子時 前谷(小腸経の滎水穴)
戊寅時 陥谷(胃 経の兪木穴)、丘墟( 胆経の 原穴)
庚辰時 陽渓(大腸経の経火穴)
壬午時 委中(膀胱経の合土穴)
甲申時 液門(三焦経の滎水穴)

乙日には、
乙酉時 大敦(肝 経の井木穴)
丁亥時 少府(心 経の滎火穴)
己丑時 太白(脾 経の兪土穴)、太衝( 肝経の 原穴)
辛卯時 経渠(肺 経の経火穴)
癸巳時 陰谷(腎 経の合水穴)
乙未時 労宮(心包経の滎火穴)

に配穴されています。
ここでみえてくるのは、十干に対応する五行の経絡が配置されているということですね。
法則性が見えたので、表にまとめてみました。
この表は医林書局出版の鍼灸学講義(一九七三年五月版)の表を参考にしています。

      子午流注_甲日&乙日

経は(木、君火、土・金・水)・相火の順に配されています。五蔵・五府の先頭はその日の五行に対応する経になっています。甲日なら木の陽経である胆経、乙日なら木の陰経である肝経から始まっています。
黄色は井・滎・兪・經・合の順に変わっていくということを示しています。
橙色は兪穴とともに配穴される原穴で、甲日は木の陽経である胆経の原穴、乙日は木の陰経である肝経の原穴です。
赤色は相火の経絡の経穴で、日の五行におけるその母と子に対応する五行穴となります。
つまり、甲日と乙日なら五行は木。その母は水でその子は火。それに対応する五行穴は滎水穴(陽経)滎火穴(陰経)となります。


さて、甲日の最後の”甲申時は三焦の水を納め、滎は天干に合し、液門を取る”というのが気になります。
庚申といえば庚申信仰が思い起こされますが関係があるんでしょうか。この場合はなさそうな気がしますが…。

それから三焦の水ということは三焦→命門→右腎ということで腎の水ということでしょうか。
それとも庚申を五行になおすと十干と十二支が共に陽金なので、相生:金生水の水なんですかね。
”滎は天干に合し、液門を取る”というのは天干は十干のこと(ちなみに十二支は地支とも言います)なのでそのまま三焦の滎水穴となります。
ここで気づいたんですが、水を強調していたのは滎水穴の”水”を暗示させるためなのかもしれませんね。
とりあえずここはこんなものです。続きはまた後日に。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その3 丙日&丁日

さて、続きです。

丙日
申時は少沢に当る。
戊戌は内庭にて脹康を治す。
庚子時は三間の兪に在り、本の原の腕骨にて黄を袪(のぞ)くべし。
壬寅は経火にて崑崙に上る。
甲辰は陽陵泉にて長に合す。
丙午時は三焦の木に受け、中渚之に中りて仔細詳し。

丁日
未時は心の少衝。
己酉は大都にて脾土に逢う。
辛亥は太淵、神門穴。
癸丑は復溜にて腎水通る。
乙卯は肝経の曲泉にて合。
丁巳は包絡の大陵に中る。

分かりやすくすると

丙日には、
丙申時 少沢(小腸経の井金穴)
戊戌時 内庭(胃 経の滎水穴)
庚子時 三間(大腸経の兪木穴)、腕骨(小腸経の 原穴)
壬寅時 崑崙(膀胱経の経火穴)
甲辰時 陽陵泉(胆経の合土穴)
丙午時 中渚(三焦経の兪木穴)

丁日には、
丁未時 少衝(心 経の井木穴)
己酉時 大都(脾 経の滎火穴)
辛亥時 太淵(肺 経の兪土穴)、神門( 神経の 原穴)。
癸丑時 復溜(腎 経の経金穴)
乙卯時 曲泉(肝 経の合水穴)。
丁巳時 大陵(心包経の兪土穴)

となります。
これを前回と同じく纏めた表にすると
      子午流注_丙日&丁日

となります。
表の見方は前回と同じです。
今回も丙日の最後”丙午時は三焦の木に受け、中渚之に中りて仔細詳し。 ”が気になりました。
丙午は十干の丙、十二支の午は共に五行では陽火。木は火の母。(相生:木生火から)だから”受ける”ということなんでしょうか。
丁日の包絡とは心包のことです。

”本の原の腕骨にて黄を袪(のぞ)くべし。”というような、治療穴のような書き方のものは本当に該当しているのか分かりません。少なくとも、『鍼灸大成』の腕骨の主治に黄(黄疸のことだったはずです)は有りませんでした。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その4 戊日&己日

続きです。

戊日
午時は兌を先んず。
庚申は滎穴の二間に遷る。
壬戌は膀胱の束骨に尋る。
衝陽の土穴は必ず原に還る。
甲子は胆経の陽輔が是れ。
丙寅は小海穴にて安然。
戊辰は三焦脈にて気を納め、経穴の支溝を刺せば必ず痊(いえ)る。

己日
巳時は隠白に始まる。
辛未時は魚際に中り取る。
癸酉は太谿、太白の原。
乙亥は中封にて内踝に比す。
丁丑時は合の少海にて心。
己卯は間使にて包絡を止む。

分かりやすくすると、

戊日には、
戊午時 兌(胃 経の井金穴)
庚申時 二間(大腸経の滎水穴)
壬戌時 束骨(膀胱経の兪木穴)、衝陽( 胃経の 原穴)
甲子時 陽輔(胆 経の経火穴)
丙寅時 小海(小腸経の合土穴)
戊辰時 支溝(三焦経の経火穴)

己日には、
己巳時 隠白(脾 経の井木穴)
辛未時 魚際(肺 経の滎火穴)
癸酉時 太渓(腎 経の兪土穴)、太白( 脾経の 原穴)
乙亥時 中封(肝 経の経金穴)
丁丑時 少海(心 経の合水穴)
己卯時 間使(心包経の経金穴)

となります。
これを表に纏めると、

      子午流注_戊日&己日

となります。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その5 庚日&辛日

続きです。

庚日
辰時は商陽居る。
壬午は膀胱の通谷に之く。
甲申は臨泣にて兪木と為す。
合谷の金は原にて、本に返って帰す。
丙戌は小腸にて陽谷の火。
戊子時は居ること三里に宜す。
庚寅は気を三焦の合に納む。天井の中は疑い用せず。

辛日
卯時は少商に本づく。
癸巳は然谷にて何くを須(もちい)いて忖(はか)る。
乙未は太衝、原の太淵。
丁酉は心経の霊道を引く。
己亥は脾の合にて陰陵泉。
辛丑は曲沢にて包絡を準(はか)る。

分かりやすくすると、

庚日には、
庚辰時 商陽(大腸経の井金穴)
壬午時 通谷(膀胱経の滎水穴)
甲申時 臨泣(胆 経の兪木穴)、合谷(大腸経の 原穴)
丙戌時 陽谷(小腸経の経火穴)
戊子時 三里(胃 経の合土穴)
庚寅時 天井(三焦経の合土穴)

辛日には、
辛卯時 少商(肺 経の井木穴)
癸巳時 然谷(腎 経の滎火穴)
乙未時 太衝(肝 経の兪土穴)、太淵( 肺経の 原穴)
丁酉時 霊道(心 経の経火穴)
己亥時 陰陵泉(脾経の合水穴)
辛丑時 曲沢(心包経の合水穴)

となります。表にまとめると、

      子午流注_庚日&辛日

となります。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その6 壬日&癸日

続きです。

壬日
寅時は至陰より起こる。
甲辰は胆脈の侠谿にて滎。
丙午は小腸の後谿にて兪。
返って京骨を求め,本原を尋ねる。
三焦に寄有るは陽池穴。本に返って原に還るが似(ごと)く親しむ。
戊申時は解谿の胃に注ぐ。
大腸は庚戌にて曲池が真。
壬子は三焦に寄って気を納め、井穴の関衝は,一片の金。
関衝は金に属じ、壬は水に属す。子母の相生、恩義深し。

癸日
亥時は井の湧泉。
乙丑は行間穴にて必然す。
丁卯は兪穴の神門が是れ。
本を腎水の太谿の原に尋ねる。
包絡は大陵の原にて并びて過ぎる。
己巳は商丘にて内踝の辺(ほとり)。
辛未は肺経にて合の尺沢。
癸酉は中衝、包絡に連なる。
子午は時を截(た)ち、定穴を安くす。
後学に留伝し、言うこと忘れること莫かれ。


分かりやすくすると、
壬日には、
壬寅時 至陰(膀胱経の井金穴)
甲辰時 侠渓(胆 経の滎水穴)
丙午時 後渓(小腸経の兪木穴)、京骨(膀胱経の 原穴)、陽池(三焦経の原穴)
戊申時 解渓(胃 経の経火穴)
庚戌時 曲池(大腸経の合土穴)
壬子時 関衝(三焦経の井木穴)

癸日には、
亥時時 湧泉(腎 経の井木穴)
乙丑時 行間(肝 経の滎火穴)
丁卯時 神門(心 経の兪土穴)、太谿( 腎経の 原穴)、大陵(心包経の原穴)
辛未時 尺沢(肺 経の合水穴)
癸酉時 中衝(心包経の井木穴)

となります。表にまとめると、

      子午流注_壬日&癸日

となります。
ここでは他のところと違って、兪穴と原穴の組み合わせが1つ多いのが特徴ですね。
三焦と心包の相火は他のとことでは原穴の配置がなかったというのもありますが、三焦は壬、心包は癸に配置されているのが大きい理由でしょう。

『鍼灸大成』の「論子午流注法」に、
甲は胆、乙は肝、丙は小腸、丁は心、戊は胃、己は脾、庚は大腸、辛は肺、壬は膀胱、癸は腎、余りの両経は三焦、包絡なり。
三焦は乃ち陽気の父なり。包絡は乃ち陰血の母なり。此の二経は壬癸に寄ると雖えども、亦た十干に分派す。

という記述があります。これにより、三焦は壬、心包は癸に配されているといえます。
この「論子午流注法」はまた後ほどやります。

これで、「徐氏子午流注逐日按時定穴歌」に関する記述は全てですが、これだけでは運用できません。
運用するためには、十干十二支を整理しなおす必要があります。
それはまた次の記事で。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その7 運用法(1)

さて、それでは運用法です。
今まで徐氏子午流注逐日按時定穴歌の甲日とか乙日とかで説明してきましたが、これは実際の日付にあてはめようとすると無理が出てきます。
詳しくは暦をみてもらえれば分かるんですが、例えば甲の日甲戌時の足竅陰は大丈夫なのですが、次の丙子時の前谷は甲の日にはないんです。
これは暦と十干十二支の関係から歴然としています。
その為、きちんと十干十二支の順番に並べ直さないとうまく活用できないというわけです。

それでは、時間十二支順にならべていきます。
図をクリックすると、元のサイズの表になります。

子午流注_甲の日と己の日
子午流注_乙の日と庚の日
子午流注_丙の日と辛の日
子午流注_丁の日と壬の日
子午流注_戊の日と癸の日

このようになります。
経穴の前の(甲日)等は、徐氏子午流注逐日按時定穴歌の日を表しています。
甲-己の日、乙-庚の日 丙-辛の日 丁-壬の日 戊-癸の日がセットになっていますが、これは暦上これらに同じ十干十二支が回ってくるからです。

そして相補というものがありますが、これは陽干の日、陰干の日共に経穴が当てはまらない時に使うものらしく、その時間に該当するものは相補の経穴で代用します。
この相補がどうしてこの経穴になるのかが分からなく、しばらく考え込んでいたんですが、きれいに説明できる方法を思いついたんで、ここで簡単に説明します。

その方法とは、十干十二支の順番にあてはめるんです。
十干十二支の順番とは、
十干の最初の甲と十二支の最初の子を組み合わせた甲子が最初にきて、以下乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、己巳、庚午、辛未、壬申、癸酉ときて十干は終わります。なのでまた甲に戻り、甲戌、乙亥と続き、ここで十二支が終わってしまうのでまた子に戻って、丙子、丁丑、戊寅、己卯、庚辰、辛巳、壬午、癸未と続いていきます。これはすべて60個あります。
上の表でも12個×5で60となるので、戊の日の終了の「癸丑」は60番目の十干十二支となります。なので、己の日の最初は十干十二支の最初である「甲子」が来ないといけないことになります。

さて、十干十二支の順番にならべて、それぞれどの部分を相補にするのかを纏めてみると、

十干十二支表_子午流注_相補_その1_矢印付き.JPG

このようになります。黄色が陽干の日、陰干の日共に経穴がない時間で、青色が相補として使う経穴の時間を表しています。矢印の向きに注目してください。癸、甲、乙、丙の行は右向きの矢印。己、庚、辛、壬は左向きの矢印になっています。
これをもう少し見やすくしてやると、

十干十二支表_子午流注_相補_その3_矢印付き.JPG

このようになります。
十干十二支の右にある数字は十干十二支の番号を示しています。
これで分かる通り、戊~壬、癸~己で矢印の向きが違います。戊~壬は左向き、癸~己は右向きとなります。
壬と癸で別れているのは、心包と三焦の相火の影響でしょうか。癸と甲で区切りがつくなら分かるんですが。

とにかくこのように考えれば、きれいに整理できます。
では、次の記事ではどのように運用すればいいのかもっと具体的に見ていきます。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 番外

さっき挙げた記事で"相補"という言葉を使っていましたが、挙げた後もいろいろ調べていても、そんな言葉なさそうなんですよねぇ…。
一応中国語の「鍼灸学講義」という本を基につくった表なんで、配穴には間違いはないんですけど、"相補"という言葉は使っていない…。じゃぁどこで僕はこの言葉を選んだんでしょうか?果てしなく謎です。

それと時間に経穴が割り振られていないところに経穴を割り振る方法がもう1つあるようです。
僕の持っている本で中国語の「子午流注与鍼灸推転盤」と織田啓成著「経絡相関論」等では母子穴を使うやり方が載っていました。
そのやり方も今度紹介しますね。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その8 運用法(2)

では、実際にどの時間にどの経穴が配当されるかみていきましょう。

まず、陽干と陰干それぞれ経穴が配当されているところは、その経穴を用います。
例えば、戊の日の甲子時なら陽輔、甲の日の乙丑時なら行間というように、振り分けられたものをそのまま使います。

次に、陽干と陰干それぞれに経穴が配当されていなく、陽干なら陰干に、陰干なら陽干に経穴が振り分けられていたら、その経穴を用います。
例えば、甲の日の甲子時には経穴が振り分けられていませんが、戊の日の甲子時なら陽補が振り分けられています。なので、甲の日の甲子時にも陽補を使うことになります。

次に、陽干と陰干ともに経穴が配当されていない場合は"相補"の経穴をそれぞれ用います。
例えば、甲の日と己の日の庚午時には、どちらも経穴が振り分けられていません。その為、"相補"の陽渓を甲の日と己の日の庚午時に使うことになります。

そういう風に配当していくと、以下の表のようになります。
子午流注法1

配穴はこんな感じです。子午流注を運用するにはこの表の経穴が必要ということになります。
これも微妙に違う配穴をしている方がいたのですが、基本的にこれで構わないと思います。

「子午流注は万人に対して同じ経穴でいいのか」という議論もあるようですが、僕はこういう運気論から出ているものは、本治法として用いればいいのではないかと思っているので、そのへんは問題ないと思います。

次は、"相補"に当たる経穴が違うパターンをやりたいと思います。

徐氏子午流注逐日按時定穴歌 その8 運用法(3)

では、続きです。

時間に経穴が振り分けられてない場合のもう1つの方法ですが、これは織田啓成著「経絡相関論」で紹介れていた方法です。これは『難経』の六十九難を用いた方法となります。

ちなみに『難経』の六十九難は、
六十九の難
曰く、経に言う、虚する者はこれを補い、實する者は之を瀉し、虚さず、實さずは經を以て之を取るとは何を謂うや。
然。虚する者は其の母を補い、實する者は其の子を瀉らす。當に先ず之を補い、然後に之を瀉らすべし。實さず、虚さざるを經を以て之を取るとは、是れ正経自ら病生じ、他の邪に中らず。當に自らその經を取るべし。故に曰く、經を以て之を取る。

です。全文を載せたのでここでは関係ない条文もあります。
ようは「虚する者は其の母を補い、實する者は其の子を瀉らす。」がキーワードです。
例えば、手の太陰肺経は五行で言うと「金行」ですね。
これを瀉らそうとすると、「金生水」で「水行」となるので、「水穴」を用います。
これを補おうとすると、「土生金」で「土行」となるので「土穴」を用います。

以下これを繰り返すと以下の表のようになります。

子午流注 補法と瀉法の表

となります。隣の十二支は経穴が割り振られてない時間のときにそれを用いると言うことを意味しています。

よって、実際にこの方法での子午流注法は以下のようになります。

子午流注法2

今回は色分けしています。
緑色はその時間にその干に経穴が割り振られていませんが、その夫婦(甲と己、乙と庚、丙と辛、丁と壬、戊と癸;それぞれ五行相剋と陰陽の組み合わせになります)に当たる十干に経穴が割り振られているときの配穴です。これを「夫婦互用」と言いうようです。
オレンジ色が今説明した六十九難による配穴ですね。
瀉法や補法を用いたい場合には便利そうですが、これ以外の時間に補法と瀉法の区別がないというの個人的によくないかな、と思うので以前紹介したものがしっくりきます。

これでとりあえず徐氏子午流注逐日按時定穴歌は終わります。
『鍼灸大成』には子午流注に関する記述が他にもあります。それらを紹介することによって子午流注の考え方の理解を深めていきたいと思います。

論子午流注法その1

ではこれから「論子午流注法(ろんしごるちゅうほう)」についてみていこうと思います。
「論子午流注法」は『鍼灸大成』に載っているもののひとつで、「子午流注を論じる」という意味です。

「論子午流注法」
子午流注とは剛柔の相配、陰陽の相合、気血の循環、時穴の開闔を謂うなり。何を以って子午とこれ言う。

曰わく、子時一刻は乃ち一陽これが生ず。午時一刻に至り、乃ち一陰これが生ず。
故に子午を以てこれを分かち、中を得るなり。
流とは往なり。注とは住なり。天干に十有り、経に十二有り。
甲は胆、乙は肝、丙は小腸、丁は心、戊は胃、己は脾、庚は大腸、辛は肺、壬は膀胱、癸は腎、余りの両経は三焦、包絡なり。
三焦は乃ち陽気の父なり。包絡は乃ち陰血の母なり、此の二経は壬癸に寄ると雖えども、亦た十干に分派す。
経の中毎に井、滎、兪、経、合有りて以て金、水、木、火、土を配す。
是の故に、陰井は木にして陽井は金、陰滎は火にして陽滎は水、陰兪は土にして陽兪は木、陰経は金にて陽経は火、陰合は水にて陽合は土。
経中に返本還元有りとは、乃ち十二経の出入之門なり。
陽経に原有り、兪穴と遇(あ)いて并せてこれを過ぎる。
陰経に原無く、以って兪穴がこれに代わる。
是れを以って、甲は丘墟に出で、乙は太衝これに例す。
又按ずるに『千金』云う、六陰経も亦た原穴有り。乙は中都、丁は通里、己は公孫、辛は列缺、癸は水泉、包絡は内関が是れなり。
故に陽日は気先づ行りて、血後に随うなり。陰日は血先づ行りて、気後に随うなり。
時を得ればこれ開と為し、時を失すればこれ闔と為す。


とりあえずここまでみていきます。
気になった所だけをピックアップしていきますね。

≪子時一刻は乃ち一陽これが生ず。午時一刻に至り、乃ち一陰これが生ず。故に子午を以てこれを分かち、中を得るなり。≫
子は一陽来復と言われます。それは八卦の地雷復― ―
                                ― ―
                                ― ―
                                ― ―
                                ― ―
                                ―――
で旧歴11月の子月に配当されているからです。
だからここで「乃ち一陽これが生ず。」となっています。

また、午の八卦は天風姤                ―――
                                ―――
                                ―――
                                ―――
                                ―――
                                ― ―
で旧暦五月の午月に配当されています。
だからここで「乃ち一陰これが生ず。」となっています。

その為、子午によって分けるということは陰陽を分けているのと同義となるわけですね。


≪天干に十有り、経に十二有り。甲は胆、乙は肝、丙は小腸、丁は心、戊は胃、己は脾、庚は大腸、辛は肺、壬は膀胱、癸は腎、余りの両経は三焦、包絡なり。三焦は乃ち陽気の父なり。包絡は乃ち陰血の母なり、此の二経は壬癸に寄ると雖えども、亦た十干に分派す。≫
これは「徐氏子午流注逐日按時定穴歌」での分類の時にもありましたね。経の十干による配当です。
ここで三焦と包絡(心包)の二経についても言及があります。
三焦は陽気の父、包絡は乃ち陰血の母であり、この二経は壬癸に属すといっても十干それぞれにも配当されているとのこと。


≪経中に返本還元有りとは、乃ち十二経の出入之門なり。≫
返本還元とは、原穴と兪穴を同時に取ることです。
戊寅時に陥谷(胃経の兪木穴)と丘墟(胆経の原穴)
己丑時に太白(脾経の兪土穴)と太衝(肝経の原穴)
を取ったのも返本還元によるものだったということですね。


≪陽経に原有り、兪穴と遇(あ)い并せてこれを過ぎる。陰経に原無く、以って兪穴がこれに代わる。≫
陽経には原穴があるので兪穴と同時に取り、陰経には原穴がないので兪穴を取ります。


≪又按ずるに『千金』云う、六陰経も亦た原穴有り。乙は中都、丁は通里、己は公孫、辛は列缺、癸は水泉、包絡は内関が是れなり。≫
『千金方』には陰経の原穴は基本的に絡穴であるとしているようです。一部(肝の中都と腎の水泉)は郄穴のようですが。これらをそれぞれの兪穴の代わりに配当してみても良いかもしれません。


≪時を得ればこれ開と為し、時を失すればこれ闔と為す。≫
時間がくれば開らく経穴を「開」とし、その時間が終われば経穴が閉じてしまうので「闔」とします。「闔」とは閉じることを意味します。

ひとまずこれぐらいにしておきます。続きは次の記事で。

論子午流注法その2

では続きです。

陽干は腑に注ぐ。甲、丙、戊、庚、壬にして重見は気を三焦に納む。
陰干は臓に注ぐ。乙、丁、己、辛、癸にして重見は血を包絡に納む。
甲日甲戌時の如きは、以って胆の井が開き、戊寅時に至れば胃の兪に正当し、又並びて胆の原を過ぎる。
甲の重見の申時に気は三焦に納まる。滎穴は水に属し、甲は木に属す。
是れを以て水は木を生じ、甲合(あつ)まれば還元して本と化すと謂う。
又、乙日乙酉時の如きは、以て肝の井が開き、己丑時に至れば脾の兪に当たり、并びに肝の原を過ぎる。
乙の重見の未時に血は包絡に納まる。滎穴は火に属し、乙は木に属す。
是れを以て木は火を生じるなり。
余りは此れに倣え。倶に子午の相生を以て、陰陽相済(ひとし)くするなり。
陽日に陰時無く、陰日に陽時無し。故に甲と己は合し、乙と庚は合し、丙と辛は合し、丁と壬は合し。戊と癸は合す。
何をか甲と己の合を謂う。
曰わく、中央の戊己は土に属す。東方を畏るるは甲乙の木の尅する所なり。
戊は乃ち陽にて兄と為し、己は陰に属して妹と為す。
戊兄は遂に己妹を将(も)て木家に与えて嫁がせ、甲と妻を為す。庶、陰陽和合を得て相傷れず。所以に甲と己は合す。子午の法は此れに尽きる。


これで終わりです。
また気になる所をピックアップしていきます。
≪陽干は腑に注ぐ。甲、丙、戊、庚、壬にして重見は気を三焦に納む。陰干は臓に注ぐ。乙、丁、己、辛、癸にして重見は血を包絡に納む。≫
陽干は甲、丙、戊、庚、壬を指し、陰干は乙、丁、己、辛、癸を指します。
重見とは甲日なら甲戌時、丙子時、戊寅時、庚辰時、壬午時、甲申時となるように最初と最後が同じ十干が廻り、その最後の十干を含む十干十二支を「重見」と呼ぶようです。
重見に三焦経と心包経の経穴を使うというのも、「三焦は乃ち陽気の父なり。包絡は乃ち陰血の母なり。」ということからなんでしょう。


≪甲日甲戌時の如きは、以って胆の井が開き、戊寅時に至れば胃の兪に正当し、又並びて胆の原を過ぎる。甲の重見の申時に気は三焦に納まる。滎穴は水に属し、甲は木に属す。是れを以て水は木を生じ、甲合(あつ)まれば還元して本と化すと謂う。
又、乙日乙酉時の如きは、以て肝の井が開き、己丑時に至れば脾の兪に当たり、并びに肝の原を過ぎる。乙の重見の未時に血は包絡に納まる。滎穴は火に属し、乙は木に属す。是れを以て木は火を生じるなり。≫
ここら辺は「徐氏子午流注逐日按時定穴歌」による運用を例を出して説明してくれているところですね。
僕は表を見ていて気がついた、臓腑の十干と五行穴の五行には相生関係があるという説明もありますね。


≪倶に子午の相生を以て、陰陽相済(ひとし)くするなり。陽日に陰時無く、陰日に陽時無し。故に甲と己は合し、乙と庚は合し、丙と辛は合し、丁と壬は合し。戊と癸は合す。≫
ここは「夫婦互用」の説明ですね。
甲と己、乙と庚、丙と辛、丁と壬、戊と癸は相剋関係と陰陽の組み合わせになっています。
これを「干合」と言います。「干合」は夫婦関係に相当します。

ちなみに甲と己の合を土化にて「中正の合」、乙と庚の合を金化にて「仁義の合」、丙と辛の合を水化にて「威制の合」、丁と壬の合は木化にて「淫泆の合」、戊と癸の合は火化にて「無情の合」とも言うのですが、子午流注法では関係ないかもしれないですね。


≪曰わく、中央の戊己は土に属す。東方を畏るるは甲乙の木の尅する所なり。戊は乃ち陽にて兄と為し、己は陰に属して妹と為す。戊兄は遂に己妹を将(も)て木家に与えて嫁がせ、甲と妻を為す。庶、陰陽和合を得て相傷れず。所以に甲と己は合す。≫
夫婦関係についての説明ですね。
ここら辺のくだりは『五行大義』にも載っていたので、中国ではポピュラーな説明の仕方なのでしょう。
怖い敵がいるから政略結婚をするというイメージですね。
相剋関係なのにお互い傷つけ合わないというのも、陰陽和合によるものだそうです。この考え方は初めて知りました。
いくら傷つけあう相剋関係にあろうとも、相剋がなければ五行のバランスはとれません。陰陽和合は緩衝材的な役目をするということでしょうかね。


これで「論子午流注法」は終わりました。
次は子午の補寫について書かれた「問子午補瀉」をみていきます。

流注時日

前回予告した「問子午補寫」ですが、子午流注とはそこまで関係なかったので、あとに回します。
今回は『鍼灸大成』の「流注時日(るちゅうじび)」をみていこうと思います。

「流注時日」
陽日の陽時には陽穴、陰日の陰時には陰穴。
陽は陰を以て闔と為し、陰は陽を以て闔と為す。
闔とは閉なり。閉は則ち本時の天干を以て、某穴と相合すとはこれに鍼す。
陽日にて陰時に遇い、陰日にて陽時に遇えば、則ち前穴已に閉づ。其の合穴を取りてこれに鍼す。
合とは、甲と己が合して土と化し、乙と庚が合して金と化し、丙と辛が合して水と化し,丁と壬が合して木と化し,戊と癸が合して火と化し、五門十変、此れこれを謂うなり。

其の然りとする所以(ゆえん)の者は、陽日腑に注げば則ち気先づ至りて而る後に血行り、陰日臓に注げば則ち血先づ至りて而る後に気行る。
陰陽が順(したが)うとは、気血が順がうゆえんなり。
陽日の六腑は日が値すれば、気を引く。
陰日の六臓は日が値すれば、血を引く。

或ひと曰く、陽日の陽時已に過ぎ、陰日陰時已に過ぎ、遇(たまたま)急疾有るやいかん
曰く、夫妻と子母を互いに用う。必ず其の病に適し,貴と為す爾(のみ)。
妻閉づれば則ち其の夫を鍼し、夫閉づれば則ち其の妻に鍼す。
子閉づれば其の母に鍼し、母閉づれば,其の子に鍼す。
必ず穴と病相宜せば、乃ち鍼すべきなり

噫、穴を用いるは則ち先ず主にして後に客す。
時を用いるは則ち主を棄て賓に従う。
仮如(たとえ)ば,甲日の胆経を主と為し、他の穴を客と為す。
鍼必ず先ず主にして後に客す。
其の甲戌等時は主穴開かずして則ち客穴に鍼す。

按ずるに、日起時にて経を循りて穴を尋る。
時の上に穴有り、穴の上に時有り。
実落を分明せば、必ず上の衍数を数えず。
此の所以(ゆえ)に子午寧守して霊亀を舎す爾(のみ)なり。

霊亀八法専ら奇経八穴と為して設け、其の図は後に具す。
但(ただ)、子午法其の理易明にして其の穴も亦た肘膝内の穴。
豈に子午の流注を逃すこと能わん!


では、今回も気になる所をピックアップしていきましょう。
≪陽日の陽時には陽穴、陰日の陰時には陰穴。陽は陰を以て闔と為し、陰は陽を以て闔と為す。闔とは閉なり。閉は則ち本時の天干を以て、某穴と相合すはこれに鍼す。≫
陽日の陽時に陽経の経穴を指し、陰日の陰時に陰経の経穴を指すので、陽日の陰時と陰日の陽時にはその経穴は既に闔じてしまっています。その為、相合の経穴を代用します。

≪合とは、甲と己が合して土と化し、乙と庚が合して金と化し、丙と辛が合して水と化し、丁と壬が合して木と化し、戊と癸が合して火と化し、五門十変、此れこれを謂うなり。≫
これは前回の最後に書いた「干合」のことです。子午流注では「相合」と言うようですね。
「十変」と言うと、『難経』の三十四難や八難が思い起こされますが、関係性はあるかも知れないですね。
三十四難と八難の「十変」も五行のことですから。


≪其の然りとする所以(ゆえん)の者は、陽日腑に注げば則ち気先ず至りて而る後に血に行り、陰日臓に注げば則ち血先ず至りて而る後に気に行る。陰陽が順(したが)うとは、気血が順がうゆえんなり。陽日の六腑は日が値すれば、気を引く。陰日の六臓は日が値すれば、血を引く。≫
ここは重要なところですね。
陽日:気を引いて血を従わせる。
陰日:血を引いて気を従わせる。
気血は衛気と営気の関係とも言えるでしょう。
陽日には衛気が活動の中心となって営気を従わせ、陰日には栄気が活動の中心となって衛気を従わせる。
ということでしょうね。


≪或ひと曰く、陽日の陽時已に過ぎ、陰日陰時已に過ぎ、遇(たまたま)急疾有るやいかん
曰く、夫妻と子母を互用す。必ず其の病に適し,貴と為す爾(のみ)。妻閉づれば則ち其の夫を鍼し、夫閉づれば則ち其の妻に鍼す。子閉づれば其の母に鍼し、母閉づれば,其の子を鍼す。≫
陽日の陽時や陰日の陰時でないときに急病になった人にはどうすればいいかという質問です。
妻が閉じていれば夫を使い、夫が閉じていれば妻を使う。これは「夫婦互用」のことですね。
母が閉じていれば子を使い、子が閉じていれば母を使う。これは『難経』六十九難によるものですね。上の言葉に合わせて「母子互用」というところでしょうか。
「夫婦互用」が五行相剋、「母子互用」が五行相生ということに注目すべきでしょうね。
つまり、闔穴の時間には互用できるのがあればそれを代用すると言うことでしょう。


≪穴を用いるは則ち先ず主にして後に客す。時を用いるは則ち主を棄て賓に従う。仮如(たとえ)ば,甲日の胆経を主と為し、他の穴を客と為す。鍼必ず先ず主にして後に客す。其の甲戌等時は主穴開かずして則ち客穴に鍼す。≫
どうやら主穴と客穴というものがあって、主穴が子午流注による開穴、客穴が主訴による開穴のことを指すようですが、よく分かりませんでした。ここのところはもう少し調べてみます。


こんな感じです。主穴と絡穴の問題は分かり次第ブログに挙げようと思います。
次は流注の開閉について書かれた「流注開闔(るちゅうかいごう)」をみていきます。

流注開闔

では『鍼灸大成』の「流注開闔(るちゅうかいごう)」です。

「流注開闔」
人は毎日一身を六十六穴周流す。
毎時周流すること五穴。(六の原穴を除く。乃ち経の所を過ぎる)。
相生にて相合するを開と為し、則ち之を刺す。相剋は闔と為し、則ち刺せず。
陽で生ずれば陰で死に、陰で生ずれば陽で死す。
甲木の如きは午で死に、亥で生じる。乙木は亥で死に、午で生じる。
丙火は寅で生じ、酉で死す。丁火は酉で生じ、寅で死す。
戊土は寅で生じ、酉で死す。己土は酉で生じ、寅で死す。
庚金は巳で生じ、子で死す。辛金は子で生じ、巳で死す。
壬水は申で生じ、卯で死す。癸水は卯で生じ、申で死す。
凡そ値は我を生じ、我が生じ、及び相合するは乃ち気血旺の時に生ず。
故に虚実を辨じるべくして之を刺す。
我を剋し、我が剋し、及び闔閉時の穴は気血正に衰絶に直る。
気行るに非ずして未だ至らざれば則ち気の行りは已に過ぎ、誤まちて刺せば妄りに邪気を引きて真気を壊乱す。
実実虚虚は其の害小さきに非ず。


これは文章が短いので、ひとうひとつみていきす。


≪人は毎日一身を六十六穴周流す。毎時周流すること五穴。(六の原穴を除く。乃ち経の所を過ぎる)。≫
この六十六穴とは五行穴のことですね。陰経の五行穴×六経+(陽経の五行穴+原穴)×六経で六十六穴となります。
『難経』一難の栄衛が五十周するのと対応していると思います。
○榮衞は陽を行ること二十五度。陰を行ることも亦た二十五度にて一周と為すなり。故に五十度。


≪相生にて相合するを開と為し、則ちこれを刺す。相剋は闔と為し、則ち刺せず。≫
開穴しているときに刺し、闔穴しているときには刺さない。子午流注法の基本ですね。


≪陽で生ずれば陰で死に、陰で生ずれば陽で死す。甲木の如きは午で死に、亥で生じる。乙木は亥で死に、午で生じる。丙火は寅で生じ、酉で死す。丁火は酉で生じ、寅で死す。戊土は寅で生じ、酉で死す。己土は酉で生じ、寅で死す。庚金は巳で生じ、子で死す。辛金は子で生じ、巳で死す。壬水は申で生じ、卯で死す。癸水は卯で生じ、申で死す。≫
ここでは十干の死生について論じられています。この死生は四柱推命でもよく使われます。

≪凡そ値は我を生じ、我が生じ、及び相合するは乃ち気血旺の時に生ず。
故に虚実を辨じるべくして之を刺す。
我を剋し、我が剋し、及び闔閉時の穴は気血正に衰絶に直る。
気行るに非ずして未だ至らざれば則ち気の行りは已に過ぎ、誤まちて刺せば妄りに邪気を引きて真気を壊乱す。
実実虚虚は其の害小さきに非ず。≫
値は「(役目や順番に)あたる」という意味で、「我を生じ、我が生じ」とは五行相生、「我を剋し、我が剋し」は五行相剋のことですね。
相生や相合するときは気血が盛になり、相剋や闔閉時の穴は気血が無くなっているときになります。
その為、間違って刺してしまうと真気を傷つけてしまいうので、実を更に実しさせ、虚を更に虚させるので注意しなければなりません。

問子午補瀉

では、『鍼灸大成』の「問子午補瀉」を見ていきます。
「問子午補瀉」とは、「子午の補寫を問う」という意味です。

「問子午補瀉」
答えて曰わく、
此れ乃ち宣しく栄衛の法を行らすべし。
故に、左転は子より能く諸陽を外行し、右転は午より能く諸陰を内行す。
人身は則ち陽気は四末より受け、陰気は五臓より受く。亦た外は陽にして内は陰なり。
左転は外より則ち天を象り、右転は内より則ち地を象り、中提は中より則ち人を象る。
一に左、一に右、一に提とは、則ち能く陰陽の内外の気をして、出入と上下が相参じて往来せしめば、栄衛は自ら流通す。
男子は寅に生ず。寅は陽なり。以て陽を主と為す。
故に、左転は順陽と為して之を補い、右転は逆陽と為して之を瀉す。
女子は申に生ず。申は陰なり。以て陰を主と為す。
故に、右転は順陰と為して之を補い、左転は逆陰と為して之を瀉す。
此れ常法なり。
然りて、病有れば陰陽寒熱の不同は則ち転鍼取用の出入にて、当に其の宜しくとする所に適すべし。
仮令(たとえ)ば病熱は則ち陽の経を刺し、以て右は瀉と為し、以て左は補と為す。
病寒は則ち陰の経を刺し、以て右は補と為し、以て左は瀉と為す。
此れ葢し、陰と陽に用い、陽と陰に用いるは通変の法なり。
大凡(おおよそ)、転鍼とは逆順の道にて、当に斯に明らかとすべし。
子の合穴、尺盛んなればこれを補い、其の入に順ずるなり。
午の滎穴、寸盛んなればこれを瀉し、其の出に順ずるなり。


ここの中で言いたいことは、陰と陽による補寫の方法です。
陽(陽経)を陽(左)で以て転針し、陰(陰経)を陰(右)で以て転針することを補法。
陽(陽経)を陰(右)で以て転針し、陰(陰経)を陽(左)で以て転針することを瀉法。
ということです。
これを応用すると、
陽経に熱がある場合は、陽経を右に転針すると瀉法になるので、熱が取れる。
陰経に寒がある場合は、陰経を右に転針すると補法になるので、寒が取れる。
ということになります。

最後の条文はよく分からないですが、寸や尺が出ていることから脈診法でしょう。
そうすると、
子の合穴→胆経の陽陵泉(合土穴) 尺盛んなればこれを補い、其の入に順ずるなり。
午の滎穴→心経の少府(滎火穴)  寸盛んなればこれを瀉し、其の出に順ずるなり。
と解釈できますが、六部定位だと胆は左関上、心は左寸口なので合いません。
そこで気口九道脈という脈診で考えてみると、胆は尺の外、心は寸口の深なので一致します。

たぶん気口九道脈で考えているのでしょう。
気口九道脈とは、寸關尺をされぞれ三つの部分に分け、脈の走行によってどの経が病んでいるかを診る脈診です。
内と外、浅と深によって診ます。即ち、
寸口の内…肝、寸口の外…膀胱
関上の内…脾、関上の外…胃
尺中の内…腎、尺中の外…胆

寸口中央の浅…小腸、寸口の中央の深…心
関上…心主
尺中中央の浅…肺、寸口中央の深…大腸
という感じです。
この脈診では奇經八脉も分かるようですが、僕はそこまでは診れません。

さて、これで主な子午流注に関する記述をみてこれました。まだ、「子午迎隨の補寫」等ものこっているのですが、これぐらいにしておきましょう。

次は、子午流注と同じような考え方をしている「霊亀八法(れいきはっぽう)」「飛騰八法(ひとうはっぽう)」をみていきたいと思います。
プロフィール

kouitsu

Author:kouitsu
新米鍼灸師です。
元々違う分野を勉強していましたが、ある時身体の調子をくずしてしまい、その過程で東洋医学に興味を持ちました。

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