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奇恒の府についてその3 脳・髄・骨

 まず骨と髓ですが、『素問』痿論(44)には「腎は身の骨・髓を主る。」としていることから、腎は骨と髓に深い関わり合いがあることが分かります。

 骨と髄の関係については、
『素問』脈要精微論(17)には、「骨なる者は髓の府なり。」
『素問』解精微論(81)には「髓なる者は骨の充なり。」
としています。

「漢字源」によると、
(1-04)府とは【{名}集まる所。】という意味があり、
充とは【{動}みちる(みつ)。みたす。中身が伸び張っていっぱいになる。】
という意味です。

このことから骨は“髓の集まり充たされているもの”と考えることができます。

 脳については、
『素問』五蔵生成論(10)には「諸髓なる者は皆腦に属す。」
『霊枢』海論(33)には「腦は髓の海と為す。」
『素問』奇病論(47)には「髓なる者は腦を以て主と為す。」
とあることから、腦は髓からできており、また髄の中心であるということです。

 また、髄については
『霊枢』経脈(10)には「人の始めて生ずるや、先ず精を成し、精成れば腦髓生ず。」
とあることから、髄は精からできていることが分かります。

 ここまでを纏めると、
1.髓は精から作られる。
2.骨は「髄の府」で、脳は「髄の海」であることから髄から骨と脳ができている。
ということになります。

 『霊枢』五癃津液別(36)に「五穀の精液和合して膏となる者は、内に滲みて骨空に入り腦髓を補益して下り、陰股(いんこ)に流るる。」とあるように、「五穀の精液の和合」=「後天の精」とも深く関わりがあります。

『霊枢』決気 (30) には、「腠理發泄(そうりはっせつ)し、汗出ること溱溱(しんしん)たるを是れ津と謂う。」
『霊枢』決気 (30) には、「穀入りて氣滿ちては淖澤(どうたく)して骨に注ぎ、骨屬屈伸して洩澤(せったく)しては腦髓を補益し、皮膚潤澤するを是れ液と謂う。」

とあります。
このように、後天の精からできる津液を「津」と「液」に分け、そのうちの「液」に腦髓を補益する働きがあるとしています。
また、『素問』逆調論(34)には、「夫れ水なる者は津液に循(つ)いて流るるなり。腎なる者は水藏にして、津液を主り、臥と喘を主るなり。」とあります。

そうすると津液は腦髄(「髄の海」)を補い、その津液は腎によって管理されているということになるので、腎気が不足すると津液が不足し、津液が不足すると髓が不足し、髓が不足すると骨が弱り、髄がかなり不足してくると脳の活動が低下するということが考えられます。
このため、腦・髄・骨は腎と深い関わりがあると言えます。

 余談になりますが、骨と脳が同じ髄から作られるのであれば、どこにその違いがでてくるのかを調べてみました。

 まず「府」と「海」という量的問題です。「府」は単に“集まっているもの”という意味なので、脳の「髄の海」に対する言葉としては「髄の池」というのが適当なところでしょうか。
そうすると脳は骨よりも非常にたくさんな髓からできているということが分かりやすくなります。

 また、『素問』脈要精微論(17)には「頭なる者は睛明の府なり。」としています。
『素問識』では「睛明の府」について、「張は云う、五藏六府の正氣は皆頭に上る。以て七竅の用と成す。故に頭は睛明の府と為す、と。高は云う、人身の精氣は上りて頭に會す。神明上りて目に出でる。故に頭なる者は睛明の府なり、と。」と解釈してありました。
両氏の意見を合わせると、頭には五藏六府の正氣や人身の精気が上っていることになるので、髓に五藏六府の正氣や人身の精氣が合わさり、いろいろな活動ができるようになっているのが脳ではないかと考えました。
そうであると、李時珍が(1-16) 『本草綱目』第三十四巻 木之一 香木類三十五種 辛夷 苞(發明)にて「脳は元神の府と為す。」と言っているのにも納得がいきます。
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kouitsu

Author:kouitsu
新米鍼灸師です。
元々違う分野を勉強していましたが、ある時身体の調子をくずしてしまい、その過程で東洋医学に興味を持ちました。

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