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気口九道脈診 その1

今回は今まで書く書く言いながら、書いてこなかった気口九道脈診について書いていこうと思います。

気口九道脈診(きこうきゅうどうみゃくしん)とは脈診の一種です。日本の鍼灸で一般的な脈診は六部定位脈診(ろくぶじょういみゃくしん)ですが、気口九道脈診も使われている先生もいらっしゃいます。

さて、気口九道脈診の根拠はなにかというと『奇経八脈考(きけいはちみゃくこう)』に由来しています。ですが、その原型はそれよりはるか昔の『脈経(みゃくきょう)』にあります。
それを明の李時珍(りじちん)が吟味、改正を加えたものと推察されます。

どういうことかというと、前回『脈経』について書いた時に実際に該当部分を見てみたのですが、微妙に違う所がありました。違う所は李時珍の増補と思われます。その為、気口九道脈診といっても『脈経』由来のものと『奇経八脈考』由来のものでは配穴に微妙な違いが生じているんではないかと思われます。

今回は『脈経』との比較ということではなく、『奇経八脈考』の記述に従ってい解説していこうと思います。
久々に漢文を載せながらの解説です。


【原文】
気口九道脈診
手検圖に曰く、肺は五藏の華蓋と為し、上は以て天に應じ、萬物を解理し、精氣を行らすことを主り、五行に法り、四時に應じ、五味を知るなり。
氣口の中に陰陽は交會し、中に五部有り。前後左右各おの主る所有りて、上下中央に分かちて九道と為す。
之を診れば則ち病邪の所在を知るなり、と。
 李瀕湖が曰く、氣口の一脈は分かちて九道と為す。
 十二經並びに奇經八脈を総統す。出診法と名づく。
 乃ち、岐伯が黄帝をして訣を秘受せしめるなり。
 扁鵲之を推し、獨り寸口を取るを以て死生を決す。
 蓋し氣口は百脈の流注、朝會の始と為すゆえんなり。
 三部は傳わると雖も、九道は淪隠(りんいん)す。
 故に奇経の脈は世に知る人無し。
 今撰じて圖と為し、並びに其の説後に附すを以て千古の秘藏を洩らして云うなり、と。


【意訳】
気口九道脈診
≪脈経≫の手検図には、
肺は五蔵の蓋であって、上部は天に対応して人体活動を調整し、精気を全身に行きわたらすことを主な働きとし、五行に従い、四時に対応して、五味を感じるのである。
気口部において陰陽は交流しており、それは五つに分けられる。
つまり前後左右中央である。中央の上下を合わせて九道となる。
こららを診れば病邪の場所を知る事ができる。
と書かれてある。
 李時珍が解説すると、
 気口部の脈は九道に分けることができ、正経十二経脈と奇経八脈を統括している。これを出診法と名付けている。
 つまり、岐伯が黄帝に要訣をひそかに授けた法なのである。
 扁鵲はこの方法を推し進めて寸口を取るだけで死ぬか生きるかを判断していた。
 思うに、気口部は全ての脈が流れており、朝起きてから全身に脈を送り出す最初の部分と考えることができる。
 寸関尺の三部は伝わっていても九道は埋もれてしまい、奇経の脈を知る人は世の中にはいなくなってしまった。
 今、これを選んで図に表し、その後に説明をすることによって古の秘法を公開するものである。


【解説】
まずは肺について述べられていますね。脈診は肺の流注上にある橈骨茎状突起で診る為に肺について述べられていると思われます。
そして、気口部つまり寸口・関上・尺中の三部において陰陽が交流しているとあります。これは脈診の大前提ですね。こうでないと気口部で脈を診れないですから。

気口部は5部有るといいます。それは前後左右中央です。
条文において5つと有るのに、4つしかないのはおそらく中央が抜け落ちているからだと思われます。
これらはどこを指すのかといえば、前・中央・後は寸口・関上・尺中を意味し、左右というのは、真中からみてやや外側とやや内側を指すのでしょう。
ここにおいて、寸口・関上・尺中の三部位を左右中央の三部位で診るので3×3=9となり、気口九道の”九道”と名付けられているゆえんとなります。
そして、中央は上下つまり浮沈でも判断をするので、9+3=12で正経十二脈を診ることができます。
後にやりますが、厳密には三焦の記述はないので正経は十一脈しか判断できません。
そしてこの分け方をすると奇経をも診ることができます。具体的な診方はそれぞれの条文のときに譲ります。

この診方をすると正経と奇経の両方を診れるわけですから、病邪の場所を特定することが容易となります。

一段下げている部分は李時珍の注釈です。
原文では李 瀕湖(り ひんこ)となっていますが、時珍が本名で瀕湖が号(別名)みたいです。つまり同一人物です。

ここの部分を要約すると、
この脈法は岐伯から黄帝に受け継がれたもので、『難経』を書いたとされる扁鵲がこれを推扁鵲はこの脈法を推し進めて『難経』一難に書かれている「獨り寸口を以て死生吉凶の法を候う」法をあみだした。
この方法は三部が広く浸透した為にすぐに埋もれてしまい、細々と伝えられて奇経の脈を診れる人はほとんどいなくなってしまった。
というところでしょう。
実際に奇経の脈を診られる鍼灸師はかなり少ないと思われます。その為、これを世に出して広く浸透させたいというのが、李時珍の思いだったみたいです。


長くなったので今回はここまでにします。それとなしに書き下し文、意訳、解釈と3部構成にしてみましたが、意訳と解釈どこかに間違いが有りそうな感じが…。書き下し文もこれであっているのかどうか謎。
間違いがないかよくみてくださいね。
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kouitsu

Author:kouitsu
新米鍼灸師です。
元々違う分野を勉強していましたが、ある時身体の調子をくずしてしまい、その過程で東洋医学に興味を持ちました。

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