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六部定位脈診 その3

さて、『脈経』巻之一「两手六脉所主五臓六腑陰陽逆順 第七」からの続きです。

前回は理論的部分でしたが、今回は具体的な診方がかかれています。
ですが、解釈が難しいところがあるので、脈法に関係のある条文のみを載せておきます。

【原文】
心の部の左手の關前寸口に在るが是なり。即ち手の少陰経なり。
手の太陽と表裏を為し、小腸を以て合して府と為し、上焦に合す。

肝の部は左手の關上に在るが是なり。足の厥陰の經なり。
足の少陽と表裏を為し、膽を以て合して府と為し、中焦に合す。

腎の部は左手の關後尺中に在るが是なり。足の少陰の經なり。
足の太陽と表裏を為し、膀胱を以て合して府と為し、下焦に合す。

肺部は右手の關前寸口に在るが是なり。手の太陰の經なり。
手の陽明と表裏を為し、大腸を以て合して府と為し、上焦に合す。

脾の部は右手の關上に在るが是なり。足の太陰の經なり。
足の陽明と表裏を為し、胃を以て合して府と為し、中焦脾胃の間に合す。

腎の部は右手の關後尺中に在るが是なり。足の少陰の經なり。
足の太陽と表裏を為し、膀胱を以て合して府と為し、下焦に合す。

左は腎に屬し、右は子戸と為す。名付けて三焦と曰う。

【意訳】
心に病邪があるときは、左手の寸口部に反応が現れます。経脈では手の少陰心経に相当します。
手の太陽小腸経と表裏関係にあり、小腸は心の府となります。寸口は上焦に対応します。

肝に病邪があるときは、左手の関上部に反応が現れます。経脈では足の厥陰肝経に相当します。
足の少陽胆経と表裏関係にあり、胆は肝の府となります。関上は中焦に対応します。

腎に病邪があるときは、左手の尺中部に反応が現れます。経脈では足の少陰腎経に相当します。
足の太陽膀胱経た表裏関係にあり、膀胱は腎の府となります。尺中は下焦に対応します。

肺に病邪があるときは、右の寸口部に反応が現れます。経脈では手の太陰肺経に相当します。
手の陽明大腸経と表裏関係にあり、大腸は肺の府となります。寸口は上焦に対応します。

脾に病邪があるときは、右手の関上部に反応が現れます。経脈では足の太陰脾経に相当します。
足の陽明胃経と表裏関係にあり、胃は脾の府となります。関上は中焦の脾胃の間に対応します。

腎に病邪があるときは、左手の尺中部に反応が現れます。経脈では足の少陰腎経に相当します。
足の太陽膀胱経た表裏関係にあり、膀胱は腎の府となります。尺中は下焦に対応します。

腎は二つに分かれ、左は腎であり、右は子戸となっています。
右の腎は三焦とも呼ばれています。

【解説】
まずは心から書かれていますね。
気口部での部位は「左手の關前寸口」、つまり左手の寸口部です。”關前寸口”としたのは、おそらく関より前というのを強調したかったのでしょう。
現代の六部定位も心は左手の寸口部です。よって、ここで両解釈が一致したということです。
手の少陰心経は手の太陽膀胱経と表裏関係にあります。
心は五行では火であり藏であり、小腸は五行では火であり府であるので、「小腸は心の府」となります。
寸口部は上焦にも対応しています。

次は肝です。
気口部での部位は左の関上です。これも現代との解釈が一致しました。
足の厥陰肝経は足の少陽胆経と表裏関係にあります。
肝は五行では木であり、胆も五行では木であるので、「胆は肝の府」となります。
関上部は中焦にも対応しています。

次は腎です。
気口部での部位は左の尺中です。
足の少陰腎経は足の太陽膀胱経と表裏関係にあります。
腎は五行では水であり、膀胱も五行では水であるので、「膀胱は腎の府」となります。
尺中部は下焦にも対応しています。

次は肺です。
気口部での部位は右の寸口です。
手の太陰肺経は手の陽明大腸経と表裏関係にあります。
肺は五行では金であり、膀胱も五行では金であるので、「大腸は肺の府」となります。
寸口部は上焦にも対応しています。

次は脾です。
気口部での部位は右の関上です。
足の太陰脾経は足の陽明胃経と表裏関係にあります。
脾は五行では土であり、胃も五行では土であるので、「胃は脾の府」となります。
「脾胃の間」というのは所謂中脈のことだと思われます。
関上部は中焦にも対応しています。

次は腎です。
二つ目の腎ですが、条文読んでいくと左関上の腎と右関上の腎は違うことが分かります。
「左は腎であり、右は子戸となっています。右の腎は三焦とも呼ばれています。」となっています。
これは左腎と右腎の違い。つまり腎水と腎相火の違いですね。

「两手六脉所主五臓六腑陰陽逆順 第七」の冒頭には、
「肝と心は左手に出て、肺と脾は右手に出て、腎と命門はどちらも尺中に出ます。」
とありました。
つまりここでは、右腎=三焦=命門とみているわけです。

現代の日本の教科書では右尺中は心包と三焦を診る所となっていますが、『脈経』ではことさら腎を強調しているので、三焦というよりも腎相火を診ているということになります。
現代日本の流派によっても、両尺中を腎に配当したり、右尺中を命門に配当しているところもあります。

そのあたりも腎をどのようにみているかで変わってくるのでしょうね。
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プロフィール

kouitsu

Author:kouitsu
新米鍼灸師です。
元々違う分野を勉強していましたが、ある時身体の調子をくずしてしまい、その過程で東洋医学に興味を持ちました。

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