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『難經本義諺解』 難經彙考その3 注家について

「難經彙考」の続きです。
今回は『難経』の注釈書についてです。

蘄水(きすい)龎安常(ほうあんじょう)、難經の解、數萬(数万)言有り、と。惜しい(かな)(伝)うること無し。

諸家經解
馮氏(ひょう)、丁氏は(さく)に傷らる。虞氏(ぐ)は巧に傷らる。李氏、周氏は任に傷らる。王呂は(くら)うして(あやま)る。楊氏、紀氏は大醇にして小疵。唯、近世謝氏が説、殊に理致、原委有り。及び袁氏は古益の人、難經本(旨)を著す。佳き(処)甚だ多し。然れども其の因襲の(処)、未だ前人の非を踵むことを免れず。且つ之を(しげ)きに失するのみ。

潔古(けっこ)氏が藥註(薬注)、疑うらくは其れ草稿(そうこう)にして姑らく章指義例を立て、未だ成書に及ばざるか。今見る所の者、徃々に言論、經に於いて相い渉らず。且つ文理無し。潔古が平日の著述、極めて醇正。此れ絶えて相い似ず。何づく自り遂に板行して反って先生の累いと為すを知らず。豈に事を好む者は之を為して托して先生の名を為すや。

之を要するに、後來の東垣、海藏、羅謙甫(らけんほ)(輩)、皆な見るに及ばざるが若し。見るるは必ず當に與に其の説を足し成すべし。然れども、亦た之を回護して輕易に流(伝)せしめざるなり。



ここでの内容は、
蘄水に住んでいる龎安常が著した『難經註解』という数万言の書があると伝わっているが、惜しいかな、亡失して後世には伝わっていない。

諸医家の『難経』を注釈する所を考えるに、
馮道玄、丁徳用はその理を穿鑿(せんさく)しすぎて反って本理を失っている。
虞庶はあまりに文章を飾り、言葉を巧みにしているので、反って実理を失っている。
李子壄、周仲立は妄りに筆削を加えて自分の考えを押してしまったのため、その本理を傷り失ってしまった。
王呂は根底からその理に暗らく、経理を誤っている。
楊玄操、紀天錫はその理にあつい。少し問題点はあるがそんなに多くない。
ただ、近世の謝堅白の説は他の注とはくらべものにならないぐらい理義のおもむきがあるのみである。
また、古益に住んでいる袁坤厚は『難経本旨』を著しているが、良いところが非常に多い。しかし、あまりに言葉を多くしすぎ、または先輩の諸説を頻繁に引用し過ぎて本理を失ってしまっている。

張潔古の『薬注難経』は、おそらく草稿である。このように作っていると志す所の一章一章の指意、其の義理の類例を立てるばかりであって、成就の全書となっていないものではないだろうか。今、世に伝わっている『薬注難経』を見てみると、『内経』『難経』の本理にあわないものが多い。その上、書かれている文章も深理あるものではない。張潔古の他の著述をみると理義が正しいものばかりであるが、この『薬注難経』には理義がない。絶えて久しいためか、張潔古が平常の著述とはとても似つかないものになってしまった。この『薬注難経』はどこから出てきたものか知られぬまま出版されてしまった。このような非説な書は反って潔古先生の迷惑であり、先生の名を汚がしてしまっている。この『薬注難経』は潔古先生の真作ではない。おそらく誰かが潔古先生の名前を託し、これこそ潔古先生の作であると偽ったものであろう。

『薬注難経』の義を詳細にみてみると、後学の李東垣、王海藏、羅謙甫といった人たちが潔古先生の医流の末にあたるが、これらの人は皆『薬注難経』を見ていないように思える。もしこれらの人たちが『薬注難経』を見ていたならば、必ず論説不足のところを補ないあい、成就の全書としていたに違いない。もしくは、この不足の論説を足せずにあったならば、このような非説の書は潔古先生の名前を汚すことになるため、内々に隠して外に広めず、軽々しく世間へ流し伝えることはしなかったはずである。

こんな感じです。
『難経本義』の作者である滑伯仁は、いろいろな『難経』の注釈書について痛烈に批判しています。
特に張潔古の『薬注難経』はこれでもか、というほどに…。
滑伯仁はこの中でも楊玄操、紀天錫、謝堅白、袁坤厚の注釈はそこそこいい注釈本であると認めています。
僕はこの中では楊玄操の注釈本しかみたことはありませんが…。

ちなみにそれぞれの注釈本の名前は、「本義引用諸家姓名」によると、
楊玄操は『難経注釈』。この本自体は既に亡失してますが、現在の『難経集注』に収められています。
紀天錫は『集注難経』。
謝堅白は『難経説』。
袁坤厚は『難経本旨』。
であるらしいです。
機会があれば読んでみたいですね。

今回はここまでにします。
次は『難経』の内容についての部分です。
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kouitsu

Author:kouitsu
新米鍼灸師です。
元々違う分野を勉強していましたが、ある時身体の調子をくずしてしまい、その過程で東洋医学に興味を持ちました。

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