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『難経本義諺解』 二難のポイント

では、二難のポイントをみていきましょう。

①脈に尺と寸があり、尺寸は脈の大要会である。
②尺は陰の治まる所、寸は陽の治まる所である。
③寸は九分であり、尺は十分である。

二難では、一難での脈の寸口によって体の状態を診れることを受けて寸口部の概要を説いています。
寸口部とは寸関尺のことですが、二難では関上はあまり話題にはされていません。どちらかというと寸と尺の関係性について説かれています。

①脈に尺と寸があり、尺寸は脈の大要会である。
一難では寸口は脈の大会と言い、二難では尺寸は脈の大要会としています。

「要」の字を漢字源で調べてみると、

1.{名}こし。細くしまったこし。
2.{名・形}かなめ。要点の要。こしは人体のしめくくりの箇所なので、かんじんかなめの意となる。たいせつな。
3.(ヨウす)(エウす){動}物事をしめくくる。つづめる。
4.{接続詞}「要之=これを要するに」「要は」などの形で用い、前文をしめくくってまとめることば。
5.{動}もとめる(もとむ)。しめつけてしぼり出す。要求する。
6.(ヨウす)(エウす){動}まつ。しむける。そうなるようにしむけてまちうける。
7.(ヨウす)(エウす){動}必要とする。いりようである。しなくてはならない。なくてはならない。
8.(略)
9.(略)

とありました。
この場合の「要」とは、2や3の意味に近いのではないかと思います。
一難では寸口部全体のことを言っているので脈に対しても総括的な「大会」と言い、二難では寸口の中でも尺寸について説いており、尺寸の脈を比較することで身体の状態を判断できるので、脈の「大要会」としているのでしょう。

②尺は陰の治まる所、寸は陽の治まる所である。
寸口部において尺中は陰陽に分けると陰となり、寸口は陽になることからの記述です。
寸口は陽の状態を診ることができ、尺中は陰の状態を診ることができます。
六部定位脈診でも、寸口は心と肺という五臓の上焦(陽)を診ることができ、尺中は腎水、腎相火という下焦(陰)を診ることができます。
しかし、これにとらわれすぎると正しい判断ができない場合があるので要注意です。

③寸は九分であり、尺は十分である。
尺寸の長さについて語られていますが、具体的にどう分けているかは『難経』には書かれていません。
この数字の説明が詳しく載っているのは、唐代の孫思邈(そんしばく)による『千金要方(せんきんようほう)』(以下略して『千金方』とする)のようです。
『千金方』平脈 平脈大法第一

問いて曰く、何をか三部脈と謂う。
答えて曰く、寸関尺なり。凡そ人の修短は同じからず。其の形は各々異なり。尺寸有りて三関に分つの法。
肘腕の中の横文より掌の魚際の後文に至り、却きて之を十に分かち、入りて九分を取りて是れを尺と為す。
魚際の後文より却き還りて十分の一を度り取る。則ち是れ寸。寸の之を十分にして入りて九分の中を取る。
則ち寸口なり。此の処は其の骨は自ら高し。
故に曰く、陰が尺内の一寸を得、陽は寸内の九分を得る、と。

分かりにくい文ですが、様は肘窩横紋と手関節横紋を十等分し、肘窩横紋から9/10にあたる所を尺とし、手関節横紋から1/10にあたる所から一分を差し引いたものが寸となる、ということです。
図参照(やるの気ない字ですみません…。)
寸口部
尺と寸の間の境目が関上ということになります。
寸をわざわざ九分としているのは、九は陽の極まりの数だからです。
尺がそのままの十分なのは、十が陰の極まりの数だからです。
数字の陰陽は奇数が陽、偶数が陰です。
(詳細はこちらを参照してください)
十進法において奇数と偶数の一番大きい成数が九と十になるから、とも言えると思います。

まぁ実際に脈を診る時には肘窩横紋と手関節横紋を十等分して~とか、寸口の一分を除いて~とかは考えませんので概念的なものなんですけどね。

また、この記述によると関上が線状になっているので長さを定められません。
関上の脈を診る時は術者の中指にあたるので線状になっているのは不自然ですよね。
これに関しても先ほどの平脈大法第一の続きに説明があります。

『千金方』平脈 平脈大法第一

寸口より入りて却き行くこと六部を関分と為し、関分より叉た六分を入りて尺分となす。

寸口の九分より六分を去った残りの三分の所から六分が関上ということになります。
これは寸口から三分、尺中から三分の部分が関上であることを指しています。
図参照(やっぱり汚い字ですみません)
寸関尺の長さ
古典ではここまでしか書かれていませんが、関上の分を差し引くと寸口は六分となり、尺中は七分となります。
これが示していることは、関上によって寸口は陽数から陰数になり、尺中は陰数から陽数になるので、関上の存在によって陰陽の交流が起こるということでしょう。
次の三難等では、寸尺の脈の状態によって身体の陰陽のバランスを診たりしていますので、寸口の異常だからといって陽病であるだとか、尺中に異常があるから陰病だとかは一概には言えないと思います。
詳しくはそれぞれでみてみることにしましょう。

今回はこんなところです。
次は三難となります。
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kouitsu

Author:kouitsu
新米鍼灸師です。
元々違う分野を勉強していましたが、ある時身体の調子をくずしてしまい、その過程で東洋医学に興味を持ちました。

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